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平成14年度創業・起業促進型人材育成システム開発等事業
{高度IT創業人材育成システム開発事業(教材開発等事業)}
第3編 IT人材市場等の調査研究

第2部
オープンソースソフトウェア技術者の人材評価に関する調査 報告書(概要編)

平成16年3月
株式会社 三菱総合研究所

はじめに

本報告書は、経済産業省が株式会社三菱総合研究所に委託し実施した「オープン ソースソフトウェア技術者の人材評価に関する調査」の実施報告書である。

ソフトウエア開発産業において日本が高い国際競争力を維持していくために採用 すべき方策のひとつとして、オープンソースソフトウェア(以下、OSSと呼ぶ)の 活用が非常に注目されている。日本のソフトウェア技術者が真の技術力を保持す るためにも、OSSの利用技術および開発技術を浸透させ、OSS技術分野の人材育成 が急務である。

上記の背景を踏まえ、本調査ではOSS技術者の中で、特にOSSそのものを開発して いる技術者(OSS開発者)に焦点を当てた。OSS開発者の質・量の向上が、OSSア プリ開発者やOSS利用技術者などOSS技術者全体のスキルアップにつながると考え られるからである。

本調査は以下の手順で行なった。

調査の結果として、日本のOSS開発者の人材育成策に関し、政府が行うべき施策 として16の提言を行った。

なお、本調査の実施にあたり、調査方針や調査内容に関し貴重な御助言を頂くと同時に、 アジアOSSシンポジウム開催に多大な御尽力を頂きましたアジアOSS調査委員会の 委員の方々、および、調査を多方面から支援して下さいました経済産業省の皆様 に深く感謝の意を表します。

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概要編 目次

  1. 概要
  2. 日本の主要OSS開発プロジェクト調査
  3. 日本の著名なOSS開発者調査
  4. 日本のOSS技術者調査(FLOSS-JP調査)
  5. アジアのOSS技術者調査(FLOSS-ASIA調査)
  6. アジアOSS活動
  7. 企業におけるOSS開発への取り組み実態
  8. Linux関連認定資格の動向
  9. Linux関連トレーニングコースの動向
  10. OSS技術者ニーズ調査
  11. おわりに

1 概要

本報告書は、経済産業省が株式会社三菱総合研究所に委託し実施した「オープン ソースソフトウェア技術者の人材評価に関する調査」の実施報告書である。

ソフトウエア開発産業において日本が高い国際競争力を維持していくために採用 すべき方策のひとつとして、オープンソースソフトウェア(以下、OSSと呼ぶ)の 活用が非常に注目されている。欧米企業のプロプラエタリソフトウェアによる寡 占状態を打破し日本のソフトウェア技術者が真の技術力を保持するためにも、 OSSの利用技術および開発技術を浸透させ、OSS技術分野の人材育成が急務である。

上記の背景を踏まえ、本調査ではOSS技術者の中で、特にOSS自身の開発に関わっ ているOSS技術者に焦点を当てた。現在、企業でニーズが高いのはOSSを利用する OSSアプリ開発者やOSS利用技術者であるが、その中心となり彼らを牽引するOSS 開発者の質・量の向上がOSS技術者全体のスキルアップにつながると考えられる からである。

OSS開発者の現状

日本のOSS開発者は5千人以上と推測され、 これは世界のOSS開発者の約2%に相当する。 しかし、先進国(OECD加盟30ヶ国)における日本の人口比(11.1%)を考えると、 日本のOSS開発活動は先進国レベルでは未だ少ない。

日本のOSS開発者の開発開始年齢は欧米より3〜4才高く、学生の割合が少ない。 大学や専門学校においてOSSに触れる機会が少ないことが原因と考えられる。 Windows環境で開発している人が3割 (欧米は数\%) というのもこれを示しているだろう。 特に情報系の学生がそれ以外の学生よりも少ない (欧米は3/4が情報系) ことは、 日本の情報系大学教育の課題を明らかにしている。

また、約6割の開発者がOSSスキルを独学によって学んでいる。 多くの開発者がOSS開発の目的にスキル向上を挙げていることからも、 前述の大学教育だけでなく、社会人が体系的に学べるセミナーやテキストの充実 が望まれる。

多くの開発者が会社や学校にOSS開発に関わっていることを知られていないが、 関与を認めて欲しい、対価を認めて欲しいとは感じている。 OSS開発の意義が社会にもっと認知されるようにするために、 そのためにはコミュニティや政府・自治体がOSS 開発に対する社会啓発活動を行うことが必要である。

OSSビジネスの現状

OSS開発で収入を得ている人は欧米では約半数に対し、日本では1/4に過ぎない。 多くのOSS開発者が、 企業でのOSS開発が増えることこそが、OSS開発者層の増大に最も寄与すると考え ている。OSS開発者がきちんと雇用されれば、自然とOSS開発に参入する技術 者は増えるという。

しかし、日本ではOSS開発ビジネスはいまだ成功例が少なく、 学生時代にOSSプロジェクトの主要メンバだったとしても、 OSS開発を企業内で続けられるような職場に就職することは容易ではない。 日本でOSS開発にビジネスとして取り組んでいる企業はわずかに36社であった。

OSS利用ビジネスとOSS技術者の現状

OSSを利用したシステム開発は決して低調ではない。 日本のソフトウェア開発企業の半数以上(54.4%)がOSSに取り組んでおり、 OSS対応企業では売上げ比率は21.4%に達し、 OSS対応技術者の比率も27.7%を占めるに至った。 少なくとも10万人以上の技術者が既にOSSを利用できるスキルを持っていると考 えられる。

日本では2000年頃からLinuxの認定資格がいくつか誕生した。 LPI認定が4,300名、Turbo-CEが5,000名以上の取得者がおり、 難易度の高いRet Hat CE取得者も2,000名を越えた。 資格取得者数は2003年から急増しており、 LPI認定の3年間の累計受験者数1万5千人に対し、 2004年は3万人が受験すると予想されている。

Linuxを始めとするOSSビジネスは急成長をとげ、 それに伴OSS技術者へのニーズも急拡大している。 60%以上の企業がOSS技術者の増員を予定しており、 1年後に1.2倍以上に増員予定の企業が約2割もある。 大企業では8割以上を社内育成で技術者を確保できるが、 中小企業では半数近くを中途採用で確保しようとしている。 このためOSS技術者不足が懸念されている。

OSS開発者の人材育成策への提言

OSSを取り巻く現状を一言で言えば、 「OSS利用ビジネスは急速に拡大しているが、 OSS開発者の主にボランティアベースで開発している状況はそれほど変わっていない」 ということである。 OSSは開発者と利用者がコミュニティを形成し発展してきた。 OSS開発・OSSコミュニティと共に成長する 日本のOSS関連ビジネスの健全な発展を促さなければならない。

そのために政府が行うべき施策として以下の16の提言を行う。

○ OSS開発に対する支援策

○ OSSの法的リスクの軽減策

○ OSSコミュニティの支援

○ OSS教育の充実

○ アジアのOSS活動への貢献


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