まとめ

今回のプロジェクトの目的は、近年急速に機能・操作性が向上したデスクトップ 向けLinux PCが、学校教育現場において実用性があるかを検証することであった。 対象とするIT活用授業は、つくば市で広く利用されている商用の学校教育用グルー プウェア「スタディノート」の利用である。さらに、デジカメの利用や、インター ネットを利用した調べ学習、プロジェクタを用いたプレゼンテーションも含まれ た。

Linux PCから「スタディノート」を利用するために、PCの種類に依存しないWeb 掲示板で学習のまとめ(=ノート)が作成できるように、エディタ機能を新たに開 発した。

全体としてみれば、約5ヶ月間にわたり、数百名の児童・生徒がLinux PCを利用 し、IT活用授業にLinux PCが十分利用できることは実証されたと考えられる。当 初心配された操作性の問題、子ども達にはLinux PCの操作は難しいのではないか という懸念は、嬉しいことにまったく外れた。子ども達は1〜2時間のうちに操作 になれ、Windows PCとの違いをまったく問題にしなかった。むしろ、教員の方が とまどっていると感じられた。

ただし、個別のLinux PCの利用方法をみてみると、いくつかの課題も明らかになっ た。

最も基本的な利用方法である「インターネットを利用した調べ学習」では、Web ブラウザさえ利用できればよいので、これに関しては全く問題なかったと言って よい。

インターネット上で提供される各種の「教材コンテンツ」をWebブラウザで閲覧 する場合も、多くの場合特に問題は発生しなかった。ただし、一部の教材コンテ ンツについては、表示できないものがあった。

また、共同学習システム「スタディノートWeb掲示板」の利用については、今回 開発したエディタ機能がプロトタイプであったことから、いくつかの機能不足が 指摘されたが、IT活用授業は一応可能であった。一番問題となったのは、Web掲 示板を使う上で必要となるフロッピーディスク等の「周辺機器の操作性」の方が 問題であった。この点に関しては、Linuxの改善が強く求められている。

他の課題として、「教員のLinux PCに対する不安感」を取り除くことと、 「Linux版の子供向けソフトウェアの充実」が挙げられる。

また、今回は企業がサポートについたため問題とならなかったが、今後「教員自 身による運用・保守」を考えたとき、必要な知識や経験をどのように習得してゆ くかは大きな問題として残っている。

Linux PCとその上で稼動するオープンソースソフトウェアは、導入コストの安さ、 セキュリティ面、多数のPCの管理容易性などから、今後学校教育現場において利 用する価値は高い。教育用途に関する前述の課題を解決し、今後Linux PCが学校 教育現場に普及することを期待したい。

最後に、本プロジェクトの実施にあたり、つくば市教育委員会ならび参加各校の 校長先生をはじめ先生方、児童生徒の皆様、多忙な中で多大なご支援ご協力をい ただきました。ここに厚く御礼申し上げます。